誠実に生きることで、みんなから好かれる。
正直に生きなさい。
誠実に真面目に慎ましく、生きていても良いことなんてない。
現代社会は、正しいことや正論は必要なくて、多くの人の欲望を満たすことが正義。そんな世の中で、倫理的、道徳的に正しいことを言ったり、正論を振りかざしても煙たがられてしまう。
みんなから好かれるのは「誠実な人」じゃなくて「幸せにしてくれる人」なんだ。そして、人間は欲望が満たされることで幸せを感じる。真面目で誠実な人間より、横柄で傲慢でも欲望を満たしてくれる人間が好かれるんだ。
理不尽だと感じるかもしれないけど、それが現代社会の仕組みなんだ。正しいことが正義じゃなくて、多くの人の欲望を満たすことが正義。
昔ながらの正義のヒーローはいらない。
正しいことより、欲望を満たすこと
資本主義、自由市場経済は『人間の欲望』で発展してきた。資本主義、自由市場経済というと「金持ちがより儲ける仕組み」なんてイメージがあるけど全然違う。違うんだ。
「誰よりも稼ぎたい」とか「もっと儲けたい」という売る側の欲望にフォーカスされがちだけど、買う側の「ラクしたい」「損はしたくない」という欲望があって、その欲望を満足するために商品やサービスが生まれる。そして、多くの人の欲望を満たすことの対価として、多くのお金銭が集まる。それが自由市場経済なんだ。
正論を振りかざし、世のため、人のために尽くす正義のヒーローでは生きていけない。
成功者と言われる人は、正しいことをしてきたから成功したんじゃなく、多くの人の欲望を満たしてきたから成功しているんだ。
好きか嫌いかは別として、たくさんのお金を稼げる能力がある人がヒーローになるのが資本主義なんだ。
資本主義、自由市場経済では、高潔な正義の振る舞いをしても、人々に賞賛されることはなく、人々の欲望を満たすことで賞賛される。
正しいことが正義じゃない
人間は倫理的、社会的に正しいことをするわけじゃなくて、損得や利害を中心にした欲望、好き嫌いといった感情で行動をする。誰だって、損はしたくないし、嫌なことはやりたくない。自分(と周りの人)が損をしなければ、倫理的、道理的に間違っている選択肢を平気で選んでしまう。
欲望を丸出しに生きている人はともかく、感情を押し殺し、周りの意見に合わせている人も、無欲で、慎ましい生活を送っている人も、深層心理にある欲望を満たすために行動をしてしまう。
「サボりたい」というのも欲望だし「楽しみたい」「苦しみたくない」というのも欲望。そんな欲望があるから、倫理的、道徳的に間違っていることをしてしまう。そこには昔ながらの正義はなくて、欲望を満たすことが正義なんだ。
間違った意見でも正義になる
さらに多くの人は多数派意見が正しいと勘違いをしてしまう。
多数の意見を尊重するのは大切なんだけど、それには前提条件があって、みんなが自分の意見で選択した場合限定なんだ。権力者に媚を売る輩が多い現代の日本では多数意見が正しいとは限らない。権力者が間違っているのに気づき、正論、正しいことを諭しても、誰も得しない雰囲気になる。
そこには、関わる人間の欲望と感情が入り交じり、複雑で絶妙なバランスで成り立つ世界があって、バランスを見極め、上手く流れに乗らなければ、どんなに強いヒーローでも生き残れない。あまりにも正論ばかりで権力者に歯向かっていると「キチガイ」だの「空気が読めない変人」だの言われ、社会から抹殺されてしまうんだ。
この混沌として理不尽で魑魅魍魎がうごめく世界で上手く生きていくためには、正しい行動をする必要はないんだ。
他人の顔色を伺い、相手の欲望と感情を探る能力を磨き、余計な摩擦が発生しないようにしながら、自分の欲望を満たすように行動することが「上手な生き方」なのだ。
欲望を満たすことが正義
残念ながら、現実世界では正義のヒーローは求められていない。虎視眈々と自分の欲望を満たすために、多くの人々の感情をコントロールし、自分の欲望を満たすために邪魔な人間を排他する。そして、より強く影響力を持つ人が正義なのが現実社会なんだ。
良いか悪いかはともかく、欲望が自由市場経済の中心で、多くの人の欲望を満たすことが正義。そこには道徳的、倫理的な正義はない。
漫画の中のヒーローは必要とされていない。誰もが憧れる悪を叩くカッコいいヒーローより、権力者の欲望を満たし、媚を売り、相手の感情を逆撫でしないヒーローじゃないと生きていけない。
そんな世知辛い世の中で勝ち抜くためには、他人の欲望や感情に負けないメンタルを持ち、自分の欲望を満たすためのエゴが必要でエゴを持っている人だけがヒーローに救ってもらえるんだ。
真面目で実直で誠実な人間は、他人の欲望に押しつぶされてしまう。
誠実に真面目に生きていても良いことなんてないんだ。
人間は『正しいこと』ではなく『欲望と感情』で動くのだ。
コメント